「神経が挟まれているから痛い」は本当か?

脊柱管狭窄症、椎間板ヘルニア、坐骨神経痛——これらの診断を受けた時、多くの方が「神経が挟まれているから痛い」と説明されます。しかし、この説明には大きな矛盾があります。
正座の痺れが教えてくれる重要なヒント

身近な例で考えてみましょう。正座をした後の痺れは、なぜ起こるのでしょうか?多くの人は「神経が圧迫されているから」と考えますが、実は痺れが起こるタイミングに注目してください。正座中はむしろ感覚が鈍くなり、痺れが起こるのは立ち上がった後です。
これは血流が回復する時に、異なる神経線維が異なる速度で機能回復するため、脳での情報統合にエラーが生じて起こる現象です。つまり痺れは「神経の目覚め」の過程で生じる一時的な異常感覚なのです。この理解が、慢性疼痛の謎を解く重要なカギとなります。
神経は「電線」だけではない生きた組織

神経を電線に例えることがありますが、神経は単独で存在しているわけではありません。神経は神経栄養血管による酸素・栄養の供給、神経周囲の結合組織による保護、脳脊髄液による老廃物の除去など、複雑なサポートシステムに依存している「生きた組織」です。
この理解が重要なのは、痛みの原因が単純な機械的圧迫ではなく、神経周囲の環境悪化にあることが多いからです。慢性的な筋緊張により血管が圧迫され、神経への栄養供給が低下し、炎症が生じて神経が敏感化する。これが多くの慢性疼痛の真の姿なのです。
なぜ従来の治療では限界があるのか

整体院を経営する中で、興味深い発見がありました。鍼治療で筋肉は確実に柔らかくなるのですが、鍼を抜いた後に立ってもらうと、再び固くなって痛みもそれほど改善しないことが多かったのです。
これは鍼が筋緊張を一時的に緩和させても、根本的な運動制御パターンが変わらないためです。立ち上がった瞬間に「古い神経回路」が再起動し、元の緊張パターンに戻ってしまいます。薬物療法も同様で、炎症を一時的に抑制しても根本原因は未解決のままです。
さらに慢性期では、脊髄や脳レベルでの痛み処理システム自体が変化してしまいます。本来痛みではない軽い触覚も痛みとして認識したり、組織が治癒しても痛み回路が残存したりします。これが「何をやっても改善しない」慢性疼痛の正体です。
希望ある新しいアプローチ

しかし、ここに大きな希望があります。正しい身体の動かし方を指導してからは、時間はかかっても確実に改善していく患者さんが増えました。無理なく、痛みなく、突っ張り感や力みもない動作を学習することで、特定の筋肉がずっと緊張状態にある悪循環を断ち切ることができるのです。
筋肉のON⇔OFF切り替えにより血管のポンプ作用が回復し、神経周囲環境が改善されます。さらに重要なのは、正しい運動パターンの反復学習により、健全な神経回路が再構築されることです。痛み回路に対する競合的な神経入力が生まれ、古い痛みの記憶を上書きしていきます。
成功のカギは患者の主体的参加

ただし、何十年もの身体の癖を変えるのは簡単ではありません。成功のカギは、患者さんの理解と能動的な参加にあります。「痛い場所=問題の場所ではない」ことを理解し、「治してもらう」から「自分で治す」への意識転換が必要です。
脳の可塑性により何歳でも変われることを伝え、小さな変化の積み重ねの価値を実感してもらうことで、患者さんは希望を持って取り組めるようになります。従来の「構造的問題→手術や注射で修正」という考え方から、「機能的問題→動作学習で改善」という新しい理解への転換が、真の根本改善をもたらすのです。
現代疼痛科学の知見と臨床実践の融合により、多くの「難治性」とされる症状に希望の光が見えてきています。痛みに悩む方々にとって、これは大きな転換点となるはずです。
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この記事を書いているのは、姫路整体サロンあったか堂の白井正和です。
公開日:2025/06/21