痛みや痺れの原因は「神経圧迫」だけではない!
痛みやしびれは神経圧迫だけが原因ではありません。血流障害との関係性を解明し、背中の動きを整えることで症状改善を目指す具体的な方法を紹介します。ここでは、四足動物の自然な動きから学ぶ、効果的なアプローチをご説明します。
腰や足に感じる痛みやしびれ。多くの方が「神経が圧迫されているからだ」と考えがちです。確かに神経圧迫は重要な原因の一つですが、実はそれだけで説明できる症状ばかりではありません。
私たちの日常生活でよくある例として、正座をした後の足のしびれがあります。このしびれは、実は神経が損傷しているわけではなく、単に血流が一時的に遮断されているだけなのです。このように、痛みやしびれの背景には、神経圧迫だけでなく血流障害が深く関与しているケースが数多く存在します。
神経圧迫と血流障害、それぞれのメカニズム
① 神経圧迫による影響
神経は、私たちの脳と体の各部をつなぐ重要な情報伝達の通り道です。この神経が圧迫されると、まず異常な感覚信号が脳に送られ続けることになります。これが私たちが感じる痛みやしびれの正体です。さらに重要なのは、神経を栄養する微小血管も同時に圧迫されることです。その結果、神経自体が酸欠状態に陥り、機能不全がさらに悪化するという悪循環が生まれてしまいます。
② 血流障害がもたらす影響
血管が狭くなったり圧迫されたりすると、筋肉や神経が必要とする酸素や栄養が不足します。これにより、酸素不足による痛みやしびれが発生するだけでなく、老廃物が適切に運び出されなくなります。その結果、組織に炎症が起こり、さらなる痛みの原因となっていきます。
③ 正座のしびれと間欠性跛行に見る血流と神経の関係
正座をした後の足のしびれは、血流障害の典型的な例です。太ももの血管が圧迫されることで足先への血流が一時的に遮断され、しびれが生じます。しかし、正座をやめて姿勢を変えると、血流が正常に戻り、しびれも自然に解消されます。これは、神経自体に問題があるわけではなく、血流の一時的な遮断が原因であることを示しています。
一方、脊柱管狭窄症で見られる間欠性跛行という症状では、歩行中に腰から下肢にかけて痛みやだるさを感じます。脊柱管狭窄症の患者さんによく見られるこの症状は、歩き始めは問題なくても、徐々に症状が出現してきます。しかし、しゃがむ姿勢をとると症状が和らぐことが特徴的です。これは、普段の骨盤後傾姿勢によって引き伸ばされて細くなった血管の血流が、しゃがむことで骨盤前傾位となり、血管が元の太さに戻って血流が回復するためです。
背中の動きを整えることで、痛みや痺れが改善する理由
① 四足動物の動きから学ぶ自然な身体の使い方
四足動物の動きを観察すると、私たち人間が忘れてしまった自然な体の使い方が見えてきます。例えば、猫が歩く様子を見てみましょう。肩甲骨、背骨、骨盤が互いに連動して、まるで波のようにしなやかに動いています。この動きによって、体全体で負荷を分散することができているのです。
特に注目したいのは、背骨の使い方です。猫が歩くとき、背骨は左右に自然に揺れ動きます。この動きにより、体全体でバランスを取ることができ、特定の部位に過度な負担がかかることを防いでいます。
② 現代人の抱える問題点
一方で、現代人の多くは長時間のデスクワークやスマートフォンの使用により、この自然な動きを失っています。長時間同じ姿勢を続けることで背骨の動きが制限され、さらにはスマートフォンを見る際の猫背姿勢が常態化しています。その結果、背骨の柔軟性が失われ、肩甲骨と骨盤の連動が損なわれることで、膝や腰などの特定の部位に負担が集中してしまうのです。
③ 背骨の柔軟性がもたらす効果
背中がしなやかに動くようになると、まず全身での負担の分散が可能になります。背骨全体で力を吸収・分散できるようになることで、特定の関節や筋肉への過剰な負荷が軽減されるのです。さらに、肩甲骨や骨盤が連動して動くことで、日常生活での動作がよりスムーズになり、違和感や疲労も減少していきます。
最も重要な効果は、血流と神経機能の改善です。背骨の柔軟性が回復することで、脊柱管内の圧迫が解消され、神経や血管への不必要な圧迫が軽減されます。これにより、痛みやしびれの症状の改善が期待できるのです。
背骨の柔軟性を高める具体的なエクササイズ
① キャットカウポーズの実践法
キャットカウポーズは、背骨全体の柔軟性を高め、全身の連動性を促進する効果的なエクササイズです。まず、四つん這いの姿勢から始めます。手は肩の真下、膝は骨盤の真下に置きましょう。
次に、ゆっくりと息を吸いながら背骨を反らせ、頭を天井に向けます。これがCowポーズです。続いて、息を吐きながら背中を丸め、あごを胸に近づけます。これがCatポーズです。この動きを呼吸に合わせてゆっくりと5-10回程度繰り返します。
このとき注意したいのは、決して無理な反りや丸めを行わないことです。痛みを感じたら、すぐに中止してください。このエクササイズの目的は、背骨の自然な可動域を取り戻すことにあります。
② ベアクロールによる全身の連動性向上
ベアクロールは、四足動物の動きを模倣することで、体幹を鍛えながら背骨の動きをスムーズにするエクササイズです。四つん這いの姿勢から膝を少し浮かせ、手足で体を支えた状態から始めます。
右手と左足、左手と右足を交互に動かしながら前進していきます。このとき、背中はまっすぐに保ち、腰が左右に過度に揺れないよう注意します。この動きにより、全身の筋肉がバランスよく使われ、背骨の自然な動きが促進されます。
日常生活における実践的なアプローチ
痛みやしびれを根本から改善するためには、日常生活での意識改善が不可欠です。デスクワーク時は30分ごとに姿勢を確認し、必要に応じて背中を動かしていきましょう。スマートフォンの使用時も、首の角度や肘や腕の角度に気を配ることが重要です。
当店ではお一人お一人の身体の状態に合わせた体操をご提案しています。毎日決まった回数をやるのではなく、気が付いたら体操で身体を動かす癖を付けていただき、背中の動きを感じてくださいとお話しています。
まとめ ~継続的な改善を目指して
痛みやしびれの原因は、単純な神経圧迫だけでなく、血流障害や不良姿勢、体の動きの硬直化など、複数の要因が絡み合っています。しかし、四足動物のように背中をしなやかに動かすことで、体全体のバランスを整え、症状を根本から改善することが可能です。
本記事で紹介したエクササイズは、すぐに始められる基本的なものです。ご自身の体調に合わせて、無理のない範囲から始めていただければと思います。継続的な改善のために、必要に応じて専門家への相談も検討してみてはいかがでしょうか。
姫路市で整体をお探しの方は、ぜひ一度ご相談ください。お一人お一人の状態に合わせたアプローチで、動きの質を改善し、痛みの少ない身体を作っていきましょう。
まずは初回限定の特別価格で、詳しい検査と施術であなたの身体の状態をチェックしてみませんか? お気軽にご連絡ください。
この記事を書いているのは、姫路整体サロンあったか堂の白井正和です。
公開日:2024/12/29